「我々の仕事を奪え」(コルベア氏、ワシントンへ行く)1 

http://www.youtube.com/watch?v=k1T75jBYeCs

昨日、スティーブン・コルベアは議会の公聴会で、移民労働問題について証言を行いました。ユニークなのは、彼は、番組(The Colbert Report)で演じているキャラクターの『スティーブン・コルベア』のままで証言を行った、ということです。

議会で証言したキャラクターは彼が初めてでなく、数年前にはセサミ・ストリートのエルモも証言したことがあるようですが。

さて、彼が移民労働について証言することになったのは、The Colbert Reportのあるセグメントでの経験がきっかけです。

アメリカでは、メキシコからの流入する不法移民労働者が問題になっています。彼らの多くは農場で季節労働者として働いていて、現実のところ、農場の方でも収穫の時期には彼らなしではやってゆけないのが現状です。ところが、どこでもありがちなことですが、アメリカでは彼らが「アメリカ人の仕事を奪っている」と叩くことが、人気のある政治的言説になっています。特に選挙の時には、「オバマ政権は(不法)移民に甘い」という風に言うのが、鉄板の叩き方になっています。

それに答えて、メキシコからの移民労働者と彼らの支援者たちが立ち上げたキャンペーンが、「我々の仕事を奪え」キャンペーンです。

http://takeourjobs.org/

農場で収穫するという低賃金で過酷でなんの福利厚生もない仕事を、「奪われている」と文句を言うなら、どうぞそちらから奪って下さい、というキャンペーン。アメリカ国民なら、誰でも応募できます。

さて、このキャンペーン、スティーブン・コルベアがだいぶ以前に番組で取り上げて宣伝したにもかかわらず、応募者はたった14人だったそうです。

その14人のうち1人が、われらがスティーブンというわけ。ちゃんと(?)農場に行って、一日働いています...が、何せ『スティーブン』のことですから、働きぶりはご覧の通り。

The Colbert Report 2010/9/23

最後にスティーブンは農場の人に「ぼくは移民農場労働者になれますか?」と聞き、「いや、あんたは失格だね。」と言われ、「ああ、よかった!」と安堵のため息をついてリムジンでニューヨークに帰ってゆきました(笑)。

この時の経験を、彼は議会で証言したわけですが...内容の翻訳は後日。

(つづく)