how i met your motherを見てのつぶやき。(season 7-12ネタバレ注意

Twitter向きのつぶやきですが、最新第7シーズン第12話(Symphony of Illumination)の容赦ないネタバレ(そこにゆくまでの全体の話もネタバレ)なんで、こっちで。

いやー、ずーんときましたわ。コメディでこんなに重い話を扱っちゃっていいのかと思うけど、深刻な話を扱わないのがコメディじゃないものね。むしろ、人生の重い真実を扱いつつ、いかにコメディとしての基本的な明るさ、楽観性を保つかがワザなので。

以下season 7-12大ネタバレ

前回のラストが、ロビンがバーニーに「妊娠したみたい」というところで終わっていて...

で、今回はいきなり、ロビン似の美少女と、スーツ着た金髪の生意気そうな男の子が、ストームトルーパーの等身大フィギュアのある居間に座っていて、ロビンの声が、いつものテッドみたいに「子供たち、ママがパパに会うまでの話をしましょうか。でもやっぱり、ママがパパに妊娠したことを告げたところまで飛ばすわね。」と語り始めて...

えーそうなんだ、でも最終回まではあと1シーズン半あるのにこんなに先まで明かしちゃって大丈夫なのか?...と、一瞬信じてしまったのですが、やはり甘かった。

妊娠ているとしたら確実にバーニーが父親だということがわかり、バーニーが(なんと!)「すばらしい、実は父親になりたかったんだ」と喜んだりしたので、ロビンがショックで気絶したりとかあって...でも結局妊娠していないことが判明して、親になる覚悟が全然できていない二人はとりあえず喜ぶのですが...

産科での検査の結果、ロビンは妊娠していないだけじゃなく、これからも決して妊娠はできないということがわかるのです。

ロビンは登場した時から「大の子供嫌い」というキャラで、前々から「結婚は望んでいない、絶対に子供は欲しくない」と何度も明言していて、結婚願望の強いテッドとうまくゆかなかったのも、そもそもそれが原因なのですが...

でも、「子供が欲しいとは思わない」と、「絶対に絶対に持てない」とは違うのだよなあ。

もちろん、どうしても母親になりたければ養子という選択肢もあるし、たぶん不妊と言っても、高価で労力のかかる不妊治療を受ければ、絶対に持てないってこともないと思うのだけど...でも、多分彼女は、自分がそこまでしないということを知っている。そこまでしても欲しい訳じゃないから。

だから、「あなたは多分妊娠しない」というのは、「私は死ぬまで、絶対に子供を持たない」とイコールなんだよね。「別に欲しくない(でも後で気が変わるかも)」が、「Never Ever(絶対にない)」に変わる瞬間。

たいがいの若い人は、子供は欲しくないと言っていて、実際に欲しくなくても、どっかで想像したことはあるんじゃないかなあ。「うっかり」妊娠してしまったら、それで「仕方なく」結婚したら、でもそれで意外とうまくいったりして、とか...女に限らない、たぶん男も。(バーニーなんて、絶対どっかでそれ思ってる。)

「フレンズ」の第9シーズンのロスとレイチェルみたいに。まああの二人はすぐにはヨリを戻さず、「友達として」一緒に子育てするうちにだんだん気持ちが...というパターンだったけど。

実は「How i met your mother」のこれも、そのパターンかとちょっと思ったのですが、違っていた。結局は、「うっかり子供ができて、結果うまくゆく」って、ファンタジーなんだよなあ。「ママと恋に落ちるまで」は、「フレンズ」に比べてより現実的っていうか、視点が大人っぽい気がする。(私は両方好きですが。)

現実には、30超えた大人には、そういうことはまず起こらない。子供が欲しいと思ったら、リリーとマーシャルみたいに、「子供が欲しい欲しい」とはっきり明言して、「犠牲を払っても親になる」とがっちり覚悟決めて、計画して子作りして...それでも出来ないこともあるのが現実。

特に望んでいたわけじゃないけど、「もしかしたら」の将来像が完全に消えたことで落ち込むロビン。冒頭から彼女が語りかけていた「子供たち」は、実は彼女の想像の産物だったことがわかり、ロビンが「もう私を押しとどめるものはない、何でも自由にできる。あなたたちが本物じゃなくてよかった」と言うと、画面からゆっくり消えてゆく。いや、もう、このシーンは痛いですわ。

アメリカのレビューを読んでいても、このエピソード自体の評判はよいものの、この「想像上の子供たち」については「視聴者に感情をゆさぶるための安っぽいトリック」と評判が悪いようです。でも、特に子供が欲しかったわけじゃない女が、将来の淡い可能性としての子供を失う痛さを表すのに、これ以上の表現はないと私は思う。

このエピソードで、How i met your motherを見ていて初めて泣いたって人が多いみたいですね。私は今回は泣かなかったけど。(実は第6シーズンで2回泣いている。)

前回の時点では、「ロビンがバーニーとの『一夜の過ち』で妊娠して、それがきっかけで再接近とかだと、『フレンズ』とパターン同じでいやだなあ」と思っていたのですが、さすがにいろいろ考えてきますなあ。脚本家は、ファンを感情的に振り回すワザを多く持ってるほどよい。お見事です。

さて、これからどうなりますか...楽しみです。