【映画感想】ソルト ☆☆☆1/2

映画の感想を書くときは、なるべく人の書いていないことを書こうと思っているので、あまりにも多くの人と同じ感想を抱いてしまった時は、書きにくくなるのです。たとえば、この映画の場合。

その感想とは、つまり...「アンジェリーナ・ジョリー、カッコええ〜〜!」ということなんですけどね。

みんなが言っていることを繰り返してもしょうがないし、かと言って、あんまり考えていないことを無理に書くこともないし。しょうがないので、「どこがどうカッコよかったか」をちょっと分析(?)してみます。

1)アンジーは、殴られたところもカッコいい。

アクション・ヒーローの大半は、ちょっとやそっとぶちのめされても壊れそうもない、筋骨逞しい男性が主役です。で、たいがいのアクション映画では、途中でヒーローがボコボコに殴られて顔がはれ上がったりするシーンがあるものです。

一方、一部には(特に最近では)女性がヒーローとなり、超現実的な強さを発揮して悪い男のケツを蹴飛ばしまくるアクション映画もあります。また、子供向きの冒険物では、ヒーローは変わり者の男の子だけど、準主役の女の子が一番優秀で強いという設定が流行のようです。(「ハーマイオニー設定」と呼んでもいいかも。)

でも、女性または子供がヒーローの場合、主人公が「ボコボコにやられる」シーンはないというのが普通です。それは、女性や子供だと怪我した姿が痛々しすぎて、娯楽映画としては観客が「引いて」しまうからでしょう。

子供を痛めつけないのには私も賛成ですが、女性主人公のアクション物に関しては、この点を克服しないと、男性主人公のアクションものと完全に同列には並べられないな、と思っていたのですが...ここにいましたよ、ボコボコにされてもあんまり痛々しく見えないアクション女優が!

アンジーはそれほど筋骨逞しいってわけじゃないのに、なんなんでしょうねあの「痛々しくなさ」は。

この「ソルト」の主人公は、もともとは男性だったという話ですが、それをそのまんま女性設定に変えて演じられるのはアンジェリーナ・ジョリーだからこそなんでしょうね。

2)アンジーは、悪女もイケる。

上記1)が「女性であるのに」なら、こちらは「女性ならでは」の特徴かもしれない。

つまり、「ソルト」が「いいもん」であるのか、「悪もん」であるのか、途中まで観客にはわからない。でも、観客はどちらであっても、「ソルト」を応援できる。「女アクションヒーロー」であるソルトでも、「スーパー悪女」であるソルトでも、どちらでも「カッコイイ」と感じるのです。男だと、なかなかこうはゆかないかもしれない。

逮捕されて連行されている時の、常に何か企んでいそうな無表情が、色っぽくてステキです。

3)アンジーは、色っぽい裸と、色っぽくない裸と、両方イケる。

色っぽく感じる時と、単にストーリーの都合上服を着ていないだけの時と...

まあ、こう思うのは私がストレートの女性だからで、そうでない人にとっては常に色っぽいのかもしれませんけど。

というか、アンジーを見ていると、自分が完全ストレートかどうかも怪しくなってくる...おそるべし。