【映画感想】ハングオーバー消えた花ムコと史上最悪の二日酔☆☆☆☆

うむむむ....はあ〜〜(<満足のため息。)

思うに、「とても良くできたコメディ映画で、最初から最後までただただ笑う」っていうのは、贅沢だよね。文明圏に住む現代人が享受できる、贅沢の一形態。

それはたとえば、「お湯と石鹸を思う存分使って身体を洗える」とか、「暑い日にのどが渇けば、いつでも冷たい飲み物が飲める」とかそういう、長期間それができなかったっていう経験がなければ、つい当たり前に思って、感謝の気持ちを忘れてしまうような贅沢。

ところが幸いな(?)ことに、「日本人には『アメリカン・ジョーク』は理解できないはずだ」というわけわからん三十年一日の思い込みでコメディ映画をちっとも公開しない映画配給会社のおかげで、私はこの贅沢のありがたみを、十二分に感じることができています。その点では感謝している...わきゃないよ。

この映画、もう少しでDVDスルーになるところだったけど、署名活動によって劇場公開されたそうです。署名活動をした方々は本当にえらいと思うし、もちろん深く感謝しておりますが...でも。

「ホテル・ルワンダ」みたいな社会派映画でもない、各国で大ヒットしたただ単純に面白い映画を日本で上映するという当たり前の仕事をしていただくために、いちいち観客の方が署名活動しなければならないわけ?なんか...貧しい。「国境なきコメディ団」っていう国際NPOがあったら、助けを求めたくなるような「貧しさ」だなあ。「国の境目が、笑いの境目であってはならない...」

バチェラー・パーティでラスベガスに行った男4人がハメを外して...翌朝目覚めると、昨夜の記憶は一切なく、なぜかホテルの部屋をニワトリがとことこ歩き、クローゼットには赤ん坊がいて、花婿は消えていて、バスルームにはトラがいる。日本人だろうがアメリカ人だろうが、いったい、これのどこが面白くないんだろうか?

まあ、愚痴はこれぐらいにして。とにかく、笑えます。おすすめです。

ただの視覚ギャグだと思っていたモノが、ちゃんと後で伏線として生きてくる賢い脚本。この男たち、どっから見てもおバカそのものだけど、基本いいやつらで、ちゃんと友情で結ばれていることが分かるので、ヒドイ目に遭うところを笑いながらも、なんとなく羨ましくなったりもする。

ところで、主役の3人の男の一人が、元「The Daily Show」特派員のエド・ヘルムズなのですが、もうひとり、やはり元デイリーショーのロブ・リグルが出ていましたね。いーかげんな警官の役。この人これでも、本物の海兵隊の中佐なんだよね。