大量破壊兵器(ちょっと昔のThe Daily Show)

昨日、「グリーン・ゾーン」の感想の関連で書いた、The Daily Show with Jon Stewartのセグメントです。

The Daily Show with Jon Stewart 2003/7/10

これは、別に「グリーン・ゾーン」からの連想で見たわけじゃなくて、イラク戦争関係のセグメントを探していたわけでもなくて、ただ最近「デイリー・ショーの現役『特派員』の最初のセグメント」というテーマでアーカイブを漁っていまして。これはたまたまサマンサ・ビーのデビューのセグメントだったのです。

ジョン・スチュワート:このことについて、新しいホワイトハウス特派員のサマンサ.ビーに話を聞きましょう。サマンサ、当番組へようこそ!...戦争の後で、戦争を始めた理由のひとつがニセ情報に基づいていたと分かった。明らかに、これは大ニュースになりそうだね。

サマンサ・ビー:そうかしら?ホワイトハウスは、これはちょっと...重箱の隅をつつきすぎだと思っているみたいだけど。

ジョン:重箱の隅?

サマンサ:サダム.フセイン核兵器の開発のためにウラニウムを買おうとしているとされていた。でも後で、サダム.フセイン核兵器の開発のためにウラニウムを買おうとしていなかったと判明した。長〜い文章の中の、たった一語の違いじゃない!

ジョン:その一語ですべてが大違いじゃないか!しかも、政府は一般教書演説の前にその情報が嘘だと知っていたんだろう?

サマンサ:まあ、だいたいそんなところね。

ジョン:どうして誰も気にしていないの?

サマンサ:ジョン、ほとんどの人は、サダム.フセインがいなくなったことをただ喜んでいるんじゃないかしら。フセインがアフリカから買った恐ろしいウラニウムも一緒に始末できたし。

ジョン:さっき、買わなかったって言ったじゃないか。

サマンサ:そう、買わなかったわよ!いちいちうるさいわねえ!

ジョン:どうしてマスコミはもっと怒っていないんだ?興味さえないみたいじゃないか。

このセグメントは、イラク戦争の「大量破壊兵器」の件について感じたことや、他にも時々ニュースを観ていて感じる「え、これってめちゃくちゃヒドイ話じゃん。どうしてみんなもっと怒っていないの?マスコミはどうしてもっと騒いでいないの?」という感じ(たとえば最近なら、新聞社が長年ずっと官房機密費を受け取っていたという件とか)を、とてもよく表していると思ったわけです。

結局、どんな凄い事実がすっぱ抜かれても、みんな信じたいことしか信じないし、マスコミも報道したいナレーティブに沿った話しか報道しないってことなのよね...

そういう意味では、「グリーン・ゾーン」のラストなんて、「うーん、甘いなあ」と思ってしまうのですよね...