The Best of the Decade: 2000年代映画ベストテン (4-3位)

4位 ペルセポリス (2008年)

唯一の非英米映画になってしまった...ほんと、アメリカ映画ばっかり観ているからなあ。

イラン=イスラーム革命後のイランに生きた(今はフランスに移住している)ある女性の物語。「自伝的」と言うにもあまりに個人的な、とにかく明日死ぬつもりで自分の人生と思いの全てをつめこんだような、全力投球の映画でした。

これはイラン現政府を批判するための映画じゃないし、フェミニズムや自由をテーマにしているわけでもないと思う。ここにあるのはマルジャン・サトラピという女性の実人生そのものであり、現実の人間はひとつのテーマに沿って人生を生きているわけじゃないからだ。

でも、あまりに自分自身の話であるために、かえって突き抜けて普遍的になってしまい、全く立場の違う遠い国の人間(私)の心に響きまくってしまう映画というのがある。これの他には「アメリカン・スプレンダー」とか、古くは「トーチソング・トリロジー」とかが思い浮かぶのだけど...「ペルセポリス」はやはり女性主人公であるせいか、嵐のように感情移入しまくりで、ぐったり疲れましたね。いや、いい意味で。

これを観て以来、日本には自由にモノが言えない「空気」があるからとか、「社会的プレッシャー」や女性差別があるからとか思うたびに、「日本でそれに逆らったって、逮捕されたり鞭打ち刑になるわけじゃないでしょ!何を甘えてんの!」と、マルジのばーちゃんに張り倒されそうな気がするのです。

3位 Mr. インクレディブル (2004年)

「トイ・ストーリー2」を入れようと思ったのですが...おっと、「トイ・ストーリー2」は1999年作品だった。(私が観たのは2000年ですが。)

代わりに...というより、PIXERの右代表としてこれを。「WALL-E」も「カールじいさんの空飛ぶ家」もよかったけど、2000年代の中ではこれがダントツだと思います。

Mr. インクレディブル、愛してます。いやマジで。