【映画感想】イングロリアス・バスターズ ☆☆☆1/2

最近、あんまり映画を観ていなかったのですが、それは忙しいからとかじゃなく、この夏ごろから、本っ当〜に、観たい映画が全くなかったからです。いやマジで、私好みの映画というのは、日本の映画館では絶滅危惧種になりつつあるなあ。寂しい限りですわ。

12月になって、ようやく観たい映画が続けて公開され始めたので(「キャピタリズム マネーは踊る」「カールじいさんの空飛ぶ家」「戦場でワルツを」etc)、どっこいしょと腰を上げて映画館通いを再開しようかと思っています。

で、第一弾がコレ。

あんまり詳しく書く必要もないかなあ。とにかく、単純明快、タランティーノな映画です。

60〜70年代に、「ブラック・エクスプロイテーションブラックスプロイテーション)映画」というのが流行ったそうで(私はあんまり観たことはないのですが)。黒人観客向きの映画で、カッコいいワルの黒人主人公が、邪悪でマヌケな白人たち(悪徳警官とか)をやっつけまくるという内容のB級アクション映画のことを言うのですが...

イングロリアス・バスターズ」はまさに「ジューイッシュ・エクスプロイテーション映画」ですね(笑)。

うーむ、ホロコーストネタでこういう映画、作ってもよかったのか。

ユダヤ系ではないタランティーノがなぜこの映画を?という声もちょっと読みましたが...まあ関係ないんじゃないですかね人種的背景は。タランティーノは母親がチェロキー族、父親はイタリア系だそうだけど、タランティーノ自身の文化的背景はイタリアでもネイティブ・アメリカンでもなく、ずばり「オタク」でしょう(笑)。

黒人でもないのにブラックスプロイテーション映画をこよなく愛し、そのスターだったパム・グリアをヒロインに起用したこともあるタランティーノですから、むしろぴったりなんじゃないでしょうか。

でも...70年代の若い黒人男性が「黒いジャガー」に歓声を上げたのと同じように、現代のユダヤ系の人々がこの映画に単純に声援を送っている様子って...はっきり言って想像つかないんですけど。(ま、私の勝手なイメージですが。)

まあそこは、タランティーノ的ヒネリが効いているところがいいんでしょうね。例えば、ブラット・ピット以外の「バスターズ」があんまりカッコ良くなくて、どちらかと言うとオタクっぽくて一見弱々しい外見の青年たち(若い頃のアダム・サンドラーか、「フレンズ」のロスみたいな)であるところとか。

以下ネタバレ

最後のところは、「まあ、こういう映画だし、細かいことは気にしない...って、細かくないだろ!」と、ツッコミを入れたくなったのですが...

でもまあ考えてみれば、「グラディエーター」のラストだって、これと同じぐらい大胆なことをしてますからね。古代ローマ史なら改変OKで、第二次世界大戦ならダメってことはない...と、思う...多分。

それではみなさま、ハッピー・ハヌカ〜♪(って何のこっちゃ。)