ニュージャージーは悪の楽園?(今日の「The Daily Show」)

The Daily Show with Jon Stewart 2009/11/30 Maziar Bahari

11月25日に書いた通り、イランで4か月近くの間拘束されていたジャーナリストのマジアール・バハリさんが今日の「The Daily Show」のゲストでした。

わりと元気そうで、家族にも再会して、奥さんが女の子を出産するのにも間に合ったそうで、よかった。

ジョン・スチュワート:あなたはイランの刑務所にいたのですよね。

バハリ:ええ、あなたのせいでね。

スチュワート:ジェイソンはインタビューで、カフィアとサングラスでスパイのふりをしていた。それがなんと、あなたの尋問官たちは...

バハリ:彼らにはユーモアのセンスがないので...まあ、あのスケッチがよっぽど面白くなかったのか、彼らにユーモアのセンスがなかったのか、どちらかでしょう。

もう冗談(...だよね?)が言えるのは素晴らしいです。

Newsweekの記事にもあったのですが、バハリさんの話の中で「デイリーショーのクリップを『証拠』に使った」ということと並んで最もクレージーだったのは、尋問官がなぜかバハリさんが「ニュージャージーに行ったことがある」ということに異常にこだわっていた、ということです。バハリさんがイランを『ニュージャージーのような所に』しようとしている『秘密のニュージャージー・ネットワーク』の一員だと責めたそうで...

バハリ:彼にとっては、ニュージャージーはもっともアメリカ的なところだったのです。彼は、ニュージャージーが地上の楽園だと思っていた。【観客爆笑】彼はニュージャージーではみんな毎日酒を飲んで、毎日セックスをして...ユダヤ人はいないと思っている。

スチュワート:ぼくはその例外らしいですね。全然、そんな覚えはありませんから...

ニュージャージーって言えば、私のイメージは、ジョン・スチュワートの出身地ってことと、あとミュージカルの「Jersey Boys」かジャネット・イヴァノヴィッチの「ステファニー・プラム」シリーズぐらいなんですけど...(先月スティーブン・コルベアを見に行きましたけど、その劇場以外はな〜んにも見なかったし)

その尋問官が「ステファニー・プラム」シリーズを読んでいたのなら怖いなあ。いやまさか。

真面目な話に戻ると、バハリさんが言っていたことで印象的だったのは、今の革命防衛隊の幹部になっている人の中には、イラン革命前のシャー(パーレビ国王)の時代に政治犯として投獄され、拷問を受けていた人が多いそうです。だから、どのような尋問や精神的拷問が効果的か、よく知っている。バハリさんの尋問官は、アブ・グレイブ刑務所の話を出して、アメリカ軍の方が我々よりよっぽど酷いことをやっているじゃないか、と言ったそうです。バハリさんはその時、(口には出さなかったけど)「そう、アメリカ軍があんなに見るからに残酷なことをしたのは、彼らは(効果的な拷問の)やり方をまるで知らないからだ。その点、あんたたちはよく知っている」と思ったそうです。

バハリさんはユーモアをまじえて、淡々と語っていましたけど、だからこそ余計に、なんだか泣きたくなるような。