冗談ではない話。

ティーブンのイベント・レポートの途中ですが、今日のニュース。

イランの選挙の前に「The Daily Show」のジェイソン・ジョーンズがイランに取材に行ったセグメントで、インタビューに答えていた人のうち3人が、その後の選挙後抗議運動の中で逮捕されていたのをご記憶でしょうか。

http://navy.ap.teacup.com/kumiko-meru/915.html

そのうちの一人、Newsweekの記者マジアール・バハリ(Maziar Bahari)さんはその後118日間も拘束された後、強制されて嘘の「自白」をすることで釈放されたのですが、最近Newsweekに拘束されてた間のことを書いた記事を載せました。

http://www.newsweek.com/id/223862

で、冗談のようで、冗談でない話というのは...バハリさんはその間、厳しい尋問(拷問)を受けていたのですが、ある時尋問官が、「デイリー・ショー」の中でジェイソンがバハリさんを喫茶店で「インタビュー」しているビデオを持ち出してきて、バハリさんがスパイである証拠だと言い出したそうです。

「どうしてこのアメリカ人はスパイみたいな格好をしているんだ?」

「スパイのマネをしているだけです。コメディの番組ですから。」

「本当のことを言え!カフィア(中東の人がかぶるスカーフみたいなもの)にサングラスでコーヒーショップに座っていて、何が面白いんだ。」

「ただの下らない冗談ですよ。大した意味はありません。まさか、彼が本物のスパイだと言っているわけじゃないでしょうね?」

「スパイのふりをしているアメリカのジャーナリストが、どうしてインタビューの相手にお前を選んだと思う?」

「...お前が(ビデオの中で)『アメリカとイランには共通点がいっぱいある』と言っているのも冗談のつもりか?そういう態度は自分のためにならんぞ。一生を刑務所で過ごすことになる人間はたくさんいる。お前もそうなるかもしれんぞ。」

...何ということだ。

バハリさんたち3人が逮捕されたのは別に「デイリー・ショー」とは関係ないと思うし(バハリさんはアメリカの雑誌の記者だし、他の二人はもともと反体制派の大物だから)、「アメリカ人一般のイラン人に対する認識を変える」という意味で、こういう時だからこそ余計に意義のあるセグメントだったと思うので、放映する価値は十分にあったと思うのですが...こういうことを聞くと、ジョンもジェイソンもバハリさんに対してすまなく思っているだろうなあ、と思うとやりきれないです。

バハリさんは来週月曜日の「デイリー・ショー」にゲストで来ます。直接、話を聞くのが楽しみのような、怖いような...