This Week in "The Daily Show"
オバマさんのノーベル賞受賞にはびっくりでした。いや、いずれは獲って当たり前とは思っていましたが、率直な感想は「早っ!」(笑)
ジョン・オリバーは「史上初、ノーベル平和賞の先制攻撃」と呼んでましたが、まあそういうことなんでしょう。
さて、そのニュースには間に合わなかったのですが、ひさびさに今週の"The Daily Show with Jon Stewart"から。
次々回のオリンピックがリオデジャネイロに決まったニュース。
日本では某都知事が相変わらずのサイテーぶりを発揮していますが(デイリーショー風には、ああいう人をdouchebagと呼ぶんですよね)、アメリカではシカゴの落選をさっそくオバマさんのせいにする向きもあるみたいで。
しかしねえ。冬季も含めれば、アメリカはこの半世紀でオリンピックを4回もやっているのよね。日本はそれに続く3回もやっている。こんなにやってる国は他にない。一方でまだ1回もやっていない大陸があるっていうのに、またアメリカや日本に来ると考える方がどうかしているんで、敗因も何もないと思うんですがねー。
まあ、それはともかく、デイリーショー流の各都市「勝因・敗因分析」をどうぞ。
The Daily Show with Jon Stewart 2009/10/5 Chicago Nope
サマンサ・ビー:マドリッドの敗因のひとつは、発表されたオリンピック・マスコット「タパス」のデザインに問題があったことね。(剣がいっぱい刺さって血を流している闘牛のマスコット)
ジョン・スチュワート:「瀕死の雄牛タパス」?...あー、マスコットが審査に影響したの?
サマンサ:そうよ。東京のマスコットもすごかったわね。オリンピック・バニーの「マコ」よ。
ジョン:可愛いと思うけど?どうして...
サマンサ:カメラを引いてみたら、そうでもないわね。(かなりイタい絵になる)
ジョン:あー、たしかにちょっとやりすぎだったね。
サマンサ:これでも抑えたのよ。触手は描いてないでしょう?
ジョン:シカゴのマスコットは?
サマンサ:これよ。(元イリノイ州知事、ロッド・ブラゴジェビッチ※の写真)
ジョン:それがマスコット??
サマンサ:そうよ。彼はマスコットの座を競りで売ろうとしたんだけど、満足のゆく金額を出す人がいなかったから、自分がマスコットになったの。
ジョン:信じられないね。
サマンサ:ジョン、こんなめったにない金ヅル、タダで手放すわけがないでしょう?!
ジョン:リオのプレゼンテーションは素晴らしかったんだろうね。
サマンサ:もちろんよ!リオのテーマはずばり、「お尻の祭典」!インフラ面でも、「ダブルドーム・スタジアム」が評価されたみたいね。
ジョン:治安の面では不安はないのかな?
サマンサ:リオ警察は、犯罪をこの三角形のエリアに押し込めて、安全地帯を作ろうとしているの。両側にはみ出した部分の犯罪は、始末するのよ。全部処理してしまったら、それはそれでヘンな感じになるんだけど。
ジョン:それは...痛みを伴う処理だろうね。
サマンサ:痛みっていうより、後でカユくなってくるのが問題なのよね!
デイリーショーの脚本家陣の中には、Otakuの一人や二人はいるんだろうなあ。観客のあまりの分かりの良さがちょっとフクザツですが(笑)。
インタビューでは、何と言っても水曜日のウィリアム・カムクワムバくん。
The Daily Show with Jon Stewart 2009/10/7 William Kamkwamba
この青年は、アフリカはマラウィ出身の現在22歳なのですが、すごい子なんですよ。14歳の時に経済的事情で学校に行けなくなったのですが、代わりに図書館に通うようになり、そこで風力発電に関する本をみつけたのです。それは英語の本で、彼はほとんど英語が読めなかったのですが、その本に載っている写真と図だけをたよりに、ありあわせの材料で風車を作りあげ、それで発電に成功しました。そう、15歳の少年がひとりで、自分の村に電気をもたらしたのです。
その物語が「The Boy Who Harnessed the Wind」という本になったために彼はデイリーショーに来たわけ。彼は今でもあまり英語が上手ではないけど、すばらしいインタビューでした。インターネットが使えるようになって、初めて「Google」を教えてもらって「風車(windmill)」で検索したらものすごい量の情報が得られることを知って「このGoogleってやつは、今まで(ぼくが苦労している間)何をしてたんだ!?」と思った、と言っていたのがおもしろかった。ジョンは「今日から、windmillで検索したら君がトップに出てくるようになるよ」と答えていました。
収録を見に行った人によれば、ウィリアムくんとのインタビューが予想より長くなったのですが、ジョンはインタビューをカットするのではなくオープニングの1セグメントをカットすることにして、そのためにオープニングを撮り直したそうです。
「スラムドッグ$ミリオネア」主演のデブ・パテルくんや、以前のインタビューでアフリカで元少年兵だった経験を本にした子とかの時もそうだったのですが、ジョンはこういう若い人にインタビューする時、ちっとも「condescending」(日本語にすると「上から目線」かな?)にならず、敬意を持ってしかも堅苦しくなく接することができる人で、そういうところがまた好きです。
※ロッド・ブラゴジェビッチ知事:元イリノイ州知事。オバマ氏が大統領に当選したため空席になったイリノイ州の上院議員の座を売ろうとした疑惑で逮捕された。(上院議員が任期途中で空席になると、補欠選挙は行わず知事が後任を指名する。)「こんなめったにな金ヅル、タダで手放すわけねえだろう!」と電話で話しているテープが公表された。