考えたことをただ書いているのは、ネタがないからなんですが

連続して政治談議(?)でスミマセン。

要するに、いくら政府が頑張っても、いくら社会が変わっても、幸せな結婚、理想的な家庭を増やすことはできないんだよね。それは個人の問題だから。

私の持論なんですが、どんな国だろうとどんな文化だろうと、カップルが末永くうまくゆく確率なんて同じぐらいで、だいたい五分五分ってところだと思う。ただ、うまくゆかない場合離婚するか、女の方がひたすら我慢して男は浮気するか、それとも、そもそも結婚前に別れちゃうことが多いか...ということに、文化的社会的差異があるだけで。

個人を大事にした政治をしているように思えるフランスだって、べつに、破局を迎えるカップルの割合を減らせているわけじゃないと思う。どんなに愛を重んじる文化だって、どんなに理想的な環境を作ってもらったって、うまくゆかないカップルはうまくゆかないのよ。それでもフランスの出生率が高いのは、「この人とうまくゆかなくなって別れることはあるかもしれないけど、それでもまあ子供を持っても大丈夫じゃない?」と思えるかどうかの違いなんだろうね。

今の若い人は、私の世代(40代)やそれより上の人と違って、衰退の時代に育ってるから、ずっと賢くて慎重で悲観的なんだろうと思う。夫婦が末永くラブラブで、夫の方に十分な収入があって...という理想的な家庭を築けると確信できない状態で子供を持つのは「無責任」だという社会だから、子供を持つ人が少ないのはむしろ当然。フルタイムで働きながら子供を育てるのがほとんど不可能なのに、フルタイムで働いた収入がなければ子供を育てるのは不可能ときているから。

だいたい、本気で「少子化対策」をするんなら、日本の歴史でたぶん最後の人口の多い年齢層である団塊ジュニア世代が出産年齢を迎える前にやらなきゃならなかったわけで、すでに縮小再生産に入ってしまっている今となっては、もうほとんど手遅れなんです。あと15年早ければ、なんとかなったのでしょうけど。ちょうど今年あたりで出産年齢から外れる団塊ジュニア世代が再生産に失敗したために「滅びの道」はすでに選択されてしまっていて、これはもう今更どうしようもない。ヨーロッパはしっかり間に合わせたので、これから若年人口増えてゆくみたいですよ。

とにかく、ほんとに子供増やそうと...いやそれはすでに不可能だから、子供の減り方のスピードを緩めたいと思うのなら、従来でいう「理想的」でない家庭の子供...婚外子、シングルペアレントの子供、ゲイカップルの養子、などを増やす、そういう状態でも「子供持っても、なんとか大丈夫!」と思わせる以外に方法はないと思う。(あともちろん移民ね。)

それには子供手当てなんかじゃ根本的解決にならなくて、保育所を増やすのはもちろん、社会全体を変えなきゃならないっていうのはまったくその通り。その通りだけど、問題はそれには時間がかかるってことなのよね。その点、「現金を渡す」っていうランボーな政策のいいところは、来年度からすぐ出来るってことなんだろうな。ぐちゃぐちゃ言っている間に、出産年齢の女性の数はもう刻一刻と減っているんだし。

私も以前は「自然減したとしても、移民を受け入れれば解決するからいいじゃん」と思っていたのですが...そんなに甘いもんじゃないと最近気づきました。それは、中国やインドや東南アジアでも、これから10年もすれば日本と同じように少子高齢化になってゆくだろうからです。日本の例からすると、経済が発展しているのに文化的に男女同権が進まない国と言うのは少子化になりやすいので、アジア全域がそうなる可能性は大。そうなりゃ、中国だってインドだって、自分の国が高齢化しているのに若者が日本に流出するのを許さないだろうしなあ。

アフリカでは子供はまだまだ増えるかもしれないけど、アフリカの人がわざわざ日本に来るだろうか?旧宗主国で文化的になじみのあるヨーロッパや、黒人文化が根付いているアメリカを選ぶんじゃないかな。なにしろ、アメリカなら、息子が大統領になるかもしれないんだから。

だいたい、外国語を覚えて外国で働こうっていうほどエネルギーのある優秀な若者が移民したがるのは、自分の国より豊かでチャンスが豊富だと思うからであって、これから10年15年先の日本が移民を受け入れたとして、来たがる人がいるかどうかが問題。むしろ、税金の重さとチャンスの少なさを嫌がって、優秀な若者はどんどん日本から出て行くだろうね。

とにかく、移民を受け入れるならほんとは今すぐやった方がいいと思うけど...たぶん根強い女性差別のせいで自然増のラストチャンスを逃したように、人種差別のせいで社会増のラストチャンスも逃すんだろうな。インドや中国の優秀な若い人は、ほとんどアメリカやヨーロッパに取られちゃって。

とにかく、どう考えてもこれから日本の人口はどんどん減っていくのは避けられないので...こんな中で「成長戦略」なんて言っているのは、山を転がり落ちていてこのままじゃ岩にぶつかって死ぬって時に「頂上を極めるにはどうしたらいいか」と言っているようなもので、今考えなきゃならないのは、どうやったら岩にぶつかっても死なない程度に転がり落ちるスピードを緩められるか、ってことなんだと思う。

今までの自民党は、根本的な問題が分かってない感じがしてました。民主党は、もしかしたらわかっているかもしれないけど、はっきり口にしていない、って感じがしますね。

あ、なんか、手遅れ手遅れとあんまり言うと、じゃあ何やってもムダなのかって話になると思うけど...そんなことはないです。地球温暖化と同じで、手遅れと言えば手遅れなんだけど、これからあらゆる手を打つことで致命的な状況を20年30年先に延ばせれば、それで大成功ってことでね。