つぶやき。

民主党マニフェストを読みながら、「税金が高くなるのはかまわない、それはぼくをここまで成功させてくれた国への恩返しになるから」という先日のジョン・スチュワートの発言について考えていました。

私は全然金持ちじゃないけど、子供がいないから支出の方も少なくて、まあお金に困ってはいません。子供は別に欲しくなかったわけじゃなく、できれば欲しかった方なのですが、結果としていないために、趣味に使ったりできる可処分所得が多いのは確かです。だからその分余分に税金を払って、自分に戻ってくる分が少なくても、まあいいかなあと思ってます。

思うに、税金というのは、手当とか公共事業とかで自分に直接的な恩恵があるものだけが「自分に戻ってくる」お金ではなくて、こう、社会全体が、自分の生きやすいようなところになっているか?そのために税金は役に立っているか?という全体で考えるべきなのかなあ、と...うまく言えませんが。

たとえばジョン・スチュワートは、政府からは何の援助も受けず自分自身の才能ひとつで、毎日毎日大変な努力をして、しかもとっても世の中の役に立つ仕事をしているわけで、大金を稼いでいても当然で誰も文句は言わないのですが...でも彼にしてみたって、たまたま自分の才能がアメリカの人々の好みに合わなければ、また「デイリーショー」のような番組を放送するテレビ局があり喜んでスポンサーになる企業がある社会じゃなければ、ここまで成功はできなかったわけです。

つまり、世の中で成功して大金を稼いでいる人というのは、いくら自分の才能と努力だけで成功したつもりでも、社会がその才能と努力を受け入れて報いる環境になっていなければ、成功しなかったはずです。たとえ補助金だの福祉だのを直接受け取っていなくても、成功していればしているほど、社会全体からより大きな恩恵を受けているはずなのです。(それを、ずばり分かってるジョンはやっぱり偉い。)だから、割高な税金を払うことに文句を言うのはおかしい!と思うのです。

で、これを全然大金を稼いではいない、これからも稼ぐことはないであろう私にあてはめて言えばですね...独身子供なし中年女性の私が、これから好きなように生きてゆける、生きて行きやすい社会になっているのなら、そういう社会になる助けになるんなら、子供手当を払うために多少税金が高くなっても、「私は子供がいないのに損!」だとは思わないのですよ。

ただ、「義務を果たしていない」だの、「子供も産まなかった女性の老後の面倒をなんで国がみなきゃいけない」だの、ぐちゃぐちゃ言われずにね。これを言ったのはどっちも自民党の政治家だけどね。そういう考え方そのものが、ある意味、少子化のそもそもの原因なんだけどな。

小渕さんにはなんの悪意もなく、むしろ個人としては好きな方ですが、彼女自身が二人目を妊娠したから「少子化対策担当大臣」にふさわしい、とかなんとか言った自民党の政治家は、ほんと、本質的なところがまるっきり分かってないんだな、と思ったものですが。

子育て支援担当相」に若手ホープの男性議員を起用するぐらいやってくれれば、民主党はかなり期待できる...とか思ってるんですがね。