New York 断片的な旅行記〜Mystic Seaport(その3)
チャールズ・W・モーガン号は1841年就航だから、ジャックやスティーブンの時代よりはちょっと新しいのですが、保存されている民間船としては最古のものだそうです。(軍艦も入れると、もっと古いものがあるのですが…その話は後で。)
ハシゴ段を降りて、下層甲板にも入れるようになってます。
船艙を見下ろしたところ。
グリニッジで見たティークリッパーのカティ・サーク号と比べると、ずいぶんずんぐりした船体ですが、それはスピードは求められてなくて、とにかく鯨油をたくさん積めるようにってことなんですね。
鯨のblubber(脂肪層)から鯨油を絞って樽詰めにする手順も説明してもらいました。Mystic Seaportでは、客が少なかったためか、ほとんどどこへいってもスタッフがつききりで解説してくれて…博物館だと考えると、贅沢なことですよね。
オブライアンの10巻に、元捕鯨船員が鯨の処理方法をスティーブンに説明するシーンがありましたね。16巻には、サプライズがアメリカの捕鯨船を拿捕して、スティーブンがわざわざ見学に行くシーンがありました。blubberという単語も、オブライアンで読んで知っていたので、なんとなく懐かしい感じ。
食事のテーブル
ギャレー。どうも、こういう生活臭あふれるところに興味を示してしまう癖が…
やっぱり気になって、鯨肉は食べなかったんですか?と聞いたんですが、やはり全然食べなかったみたいですね。鯨油と、鯨髭(傘の骨とか、パニエとかに使ったやつ)を取るだけで。
船員たちの寝床。
狭いようですが、ハンモックじゃなくてそれぞれに寝床があるし、だいぶんスペースには余裕がある感じ。それもそのはずで、けっこう大きいこの船に30人〜40人ぐらいしか乗っていなかったんですね!軍艦と違って砲を操る人が必要ないので、そんなに人数はいらないのですね。軍艦だったら、このサイズなら200人ぐらい乗せているところだ。
「ハンモックじゃなくてちゃんとベッドなんですね」と聞いたら、ハンモックなのは軍艦だけだって。砲に場所をとられるので、その上に吊るせるハンモックになるということです。
捕鯨船は遠くまで行くので、一度出港すると何年も帰港しなかったのですが…「たくさん鯨油を積んで帰ったら、乗組員は大金が入ったのですか?」と聞いたら、「金持ちになるのはその捕鯨船に投資した人たちで、乗組員は給料をもらうだけ」だったそうな。一部の専門職(銛手とか)には、パーセンテージをもらえる人もいたみたいですが。