【映画感想】WALL-E ☆☆☆☆1/2

あー、すばらしい。

ひとりぼっちのいじらしいロボットに感情が芽生えて恋をする可愛い話、と思って(それだけだったとしても十分に楽しい映画だっただろう)見てみたら、けっこう怖〜い背景があって(理解力が高くてセンシティブな子供ならトラウマになるんじゃないか)、あれよあれよと見守るうちに、単に「愛が大切」とか「自然を大事にしよう」なんてことにとどまらない(もちろん、そういうことも包括しているけど)超壮大なテーマにまで広がって、なんか呆然としてしまいました。

人間が、いや全ての生きとし生けるもの(ロボットも含めて)が、この世に存在している意義そのものを問いかけるような...われわれは何か、どこから来てどこへ行くのか。なんだかゴーギャンもどきみたいになってしまいましたが(笑)。

PIXERの映画ではいつも思うのだけど、この凄さ、本当に子供に分かるんだろうか。まあ、分からなくたって楽しいとは思うけど。

ひとつだけ不満だったのは、私は字幕版を見たのですが、流れている歌の歌詞の字幕が出ていなかったことです。最初の方はほとんどセリフがないので、心情が歌で表現されているっていう部分も大きいのに。最初のシーンで、無人の都市をさまようひとりぼっちのロボットから流れる歌が、「この小さな町の外には、素晴らしい世界が広がっているにちがいない…」("Put On Your Sunday Clothes")これだけで、涙が出そうになりましたよ。

<以下ややネタバレ>

ラストは「風の谷のナウシカ」風でしたね。偶然かもしれないけど、テーマに共通するところがあるので、オマージュってほどではないけど「うん、ナウシカも見たよ、意識してるよ」っていう目配せだったりしたら嬉しいな。(私が宮崎駿で一番好きなのは、いまだに「ナウシカ」なので。まあ、「となりのトトロ」とどっちか、迷うところですが。)