クリスマス戦争(その3)

昨日の続き。

さて…ここのネタは、ビル・オライリーが自分の番組で、「クリスマスが(今年も)攻撃されている」という話の根拠として、いかにも最近のものみたいに見せかけて流したビデオは、実は一年前(2004年)のものだったのです。だから、ビデオの中のサマンサと違って、この時(2005年)のサマンサは、ちょうど一人目のお子さんを妊娠中。もうすっかり臨月だったのです。

The Daily Show with Jon Stewart 2005/12/07

ジョン・スチュワート:…でも、ぼくはあなたが流したそのビデオに覚えがないんだよね。でも、まあ、サマンサ・ビーに聞いてみよう。彼女が出ていたから。サム、出てきてくれるかな?

臨月のサマンサ・ビー:ハイ、ジョン。

スチュワート:ヘイ!みなさん、サマンサ・ビーです。質問していいかな?君、クリスマスのレポートをやったっけ?

ビー:やったわよ。

スチュワート:いつやったか憶えてる?

ビー:えーと、いつだったかしら。見てもいい?

スチュワート:ビデオを見たいの?いいよ。

妊娠していないサマンサ(ビデオ):クリスマス。これは連邦休日になっている唯一の宗教的祝日です。この日がお休みであるおかげで、クリスチャンは教会に行き、その間に他の人たちは家にいて「政教分離」ということについてじっくり考えることができるのです。

スチュワート:ほら、つまり、これは…最近のビデオ?これ、先週?

ビー:そうよねえ。やっぱりこれ、去年の12月のだわ。

スチュワート:どうして分かるの?

ビー:微妙な違いだから、わかりにくいかもしれないけど…よく見ると分かるわよ、ジョン。私の髪のハイライトよ。ここ、わかる?これはハニー色。これは、どうみてもキャラメル色でしょ。どうやらオライリーさんは、誰も気がつかないと思ったらしいけど…あらま!わたし今、破水したみたい。

【観客笑】

スチュワート:えっ!OK、わかった。みなさん、サム・ビーでした。気がつかなかったなあ…

【観客拍手】

スチュワート:ところで、もし彼女の赤ん坊がキリストだったら、ちゃんと謝ってよね。

【観客笑】

スチュワート:でも、どうやら、ここコメディ・セントラルのぼくたちリベラルなホモたちは、1年前の、6秒間の、もう自分たちにもほとんど意味なしのジョークを、キリスト教の砦への凶悪な武器として撃ち込んだらしい。

リベラルっていえば、クリスマスに対して戦いを挑んでいた他の人たちを思い出すよね。たとえば、清教徒たちだ。最初の白人アメリカ人たちは、ボストンでクリスマスのお祝いを「品性に欠け不適切」として、22年間も禁止していた。罰当たりどもめ。

オライリー氏は、「ハッピー・ホリデイズ」という言葉を使うことにも、この言葉が「反キリスト教」だからといって反対しているようだ。でも、新年のお祝いもする人もいるんだよ。クリスマスと新年は別々の2つの祝日だから、複数形で、英語では「S」という文字を使う必要がある。もちろん、「メリー・クリスマス・アンド・ア・ハッピー・ニュー・イヤー」と言ってもいいけど…このクソ忙しいのにやってられるか、って時もあるだろう。だから省略して、「ハッピー・ホリデイズ」って言うんだ。

この言葉を使う人がみんな反キリスト教なわけじゃない。まあ、11月27日から早々と「メリー・クリスマス」って挨拶して歩くようなアホになりたくない、っていう人もいるだろうけどね。

でもね、もういいよ。ビル・オライリーがそんなに敵を必要としているんなら、糾弾されているって感じる必要があるんなら、あのね…彼にクワンザ(※)の贈り物をあげるよ。いいかい?

【ジョンの周りにクリスマス飾りが出る】

オーケイ、ぼくがあなたの敵だ。ぼくが敵になってやるよ。私、ジョン・スチュワートは、クリスマス、キリスト教徒、ユダヤ教徒、モラルを憎み、毎年12月25日には全ての家族が「オサマのホモ-中絶-マリファナ共産主義ランド(Osama's homo-abortion-pot-and-commie-jizzporium)」に集うようになるまで、片時も休息しないことを誓います。

はぁぁ…ジョン、なんだかわかんないけど、カッコいいぞ(笑)。

しつこく、つづきます。

クワンザ(Kwanzaa):1960年代のアメリカで提唱された、世界のアフリカ系の人々がお祝いするの無宗教のホリデイズ(12/26〜1/6)。