【映画感想】ウォンテッド ☆☆☆1/2

千年前、織物職人の組合が暗殺団を設立し、彼らは1000年に渡って暗殺によって「世界のバランス」を保っている。(えーと…で、保たれた結果がコレ?)

とあるダメ青年が、その最強の暗殺者の血を引いていることが判明し、厳しい訓練によって物理の法則を無視し、銃弾をカーブで撃てるようになるのでした。

…という話。クダらなそうでしょ?でもこれが面白いのよ。

笑っちゃうほどのカッコ良さ。そう、「Mr. & Mrs スミス」に欠けていたものはこれなんだ。

ジェームス・マカヴォイが「The Daily Show」にゲストで来たとき、ジョン・スチュワートに「この映画は(設定からして)クッダラなくなってもおかしくないのに、そうなっていないのはすごい」と言われて、マカヴォイは「まあ、ぼくが出ているんだから、最低でもそこそこのレベルにはなるよ」と答えていました。

その時は聞き流していたけど…よく考えてみると、すごい発言(笑)。

「馬鹿馬鹿しい」と、「馬鹿馬鹿しいほどカッコいい」を分けるのは、このゆるぎない自信ではないかと思ってしまう。

前半の訓練のところなんかは、最近見た「カンフー・パンダ」のR指定版という感じで(アンジェリーナ・ジョリーも出てるし)、なんとなく笑ってしまったのですが…

この「ダメでミジメな生活を送っている青年(少年)が、実はたいへんな能力を持っていて、別世界から迎えが来る」というのは、ハリー・ポッターそっくりで、アクションというよりファンタジーの定番ですね。

ハリー・ポッターはまだガキだったので、迎えに来るのはひげもじゃの大男でしたが、こちらの主人公は大人なので、迎えに来るのはもちろんセクシー美女。

でも、ほいほいついて行ってみると別世界もそう甘くはなくて、たっぷり痛い目に遭うのは同じ(笑)。

後半に3つほど、モラル的論理的にちょっとひっかかる点はあるのですが…

ま、それにはあえて目をつぶって、マカヴォイとアンジェリーナのカッコ良さを心ゆくまで堪能することをオススメします。

特に、ラストのアンジェリーナは…ほんとうにカッコいいよ。あの不敵な笑顔…しびれました。