ニューヨーク・タイムズのThe Daily Show記事

今日のニューヨークタイムズ日曜版に、「The Daily Show with Jon Stewart」の特集が(現物を購読している人の話によると、かなりデカデカと)載ってたそうです。

The New York Times 2008/8/17 「ジョン・スチュワートはアメリカで最も信頼されている男か?」
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この半年で、ジョンとデイリーショーに関する記事はそれこそ山のように読んだ私ですが、この記事はその中でも最高レベルかも。

読んだ後で気づいたのですけど、これ、著者は角谷美智子さん(日系アメリカ人の有名な文芸評論家)なんですね。こういうのも書くんだ。

2004年の「Crossfire」の件、2001年の9/11後のスピーチなど、重要ポイントはすべて押さえている上、ダグラス・ファイスのインタビューや「ギトモ」マペットの話など、ごく最近の番組からも例をあげているし、ジョン自身からも話を聞いて、他の記事の繰り返しになっていないところがよかった。「一番暗いニュースが、一番面白くなるポテンシャルを持っている」という話が面白かった。

あと、2ページ目にある話で、番組を作る1日のスケジュールが(なんとなく見当はつけてたけど)はじめて具体的にわかりました。

The Daily Showは、前日のニュースをもとに朝から打ち合わせをして、15人ぐらいの脚本スタッフが数時間でジョークを書いて、ジョンが昼前頃からどれを採用するか選んでいって、午後3時頃に脚本が完成、4時半頃からリハーサル、6時には客を入れて本番収録…と、だいたいこういうタイムテーブルらしい。

ジョンのこの番組での最も重要な役割はその「編集長」としての仕事で、ホストとして出演するのは「ほとんどついでのようなもの」だそうです。

前にジョン・オリバーがインタビューで、番組の内容については、最終的には全部ジョンがひとりで決めている、と言っていました。

アメリカのトークショーというのは、ホストにかなりの権限があるのが普通みたいなんですけど…「The Daily Show」の場合は特に、この「時間の制限」のせいもあるんだろうな。とにかく、最新のニュースを数時間で笑える番組にしなきゃならないとなれば、あんまり話し合って決めてる時間はなさそうだから。

ここで唐突な連想ですが…

「オーブリー&マチュリン」シリーズの感想で、軍艦の艦長が、全てにおいて絶対的な権限を持っている独裁者でなきゃならない理由は、嵐や海戦の時は刻々と状況が変わり、それに合わせて即時に決断しなきゃならないので、周りと話し合っているヒマなんてないからだろう、という意味のことを書いたのですが…なんとなく、それを思い出したりしました。