若ジョン【ファンの寝言注意報】

ハマるとキリがない体質の私が、最近何をしているかというと…YouTubeや他の画像サイトで、ジョン・スチュワートの昔の(The Daily Showに出る前の)テレビ出演映像を漁っています。

ま、だいたいファンになるとこういうことをしますよね。ラッセル・クロウのファンになった時も、オーストラリア時代の出演作のビデオを一生懸命探して見たもんです。それが今は、ネットの画像サイトの検索になっているのですが…

前に、ジョンは白髪まじりになってからの方がセクシーだと書いたのですが、それは今でもそう思っているのですが…こうして見ると、若いジョンもいいなあ。好青年のようであり、生意気な若造のようであり、その両方の絶妙のブレンドというか…

いや、ほんとは当時でも、そういう表現をするほどには若くはないのですけどね。画像サイトで見つかる映像は一番古いものでも1994-5年頃で、ジョンは32歳ぐらいですから。「The Daily Show」のホストを引き継いだのが1999年で36歳。だいたい、その間頃の映像を見ているのですが、この頃のジョンは30代半ばにしては若く見える。今のジョンは40代半ばにしては老けて見える。この10年でえらく老け込んだのは、ブッシュ政権のせいか、責任ある立場になったストレスのせいか…いいの、老けても素敵だから…

ま、それはともかく。そうやって見つけた番組のひとつで、いろんな意味で面白かったのが「The Larry Sanders Show」です。これは92〜98年にHBOでやっていた番組で、アメリカで人気のある夜のトーク番組の内幕を通して、テレビ界の裏側を風刺したコメディ。ジョンは最終シーズンの数エピソードにゲスト出演しています。

主人公の「ラリー・サンダース」は人気トーク番組のホストなのですが、視聴率が落ち目になってきて、ネットワークの偉いさんたちは彼を降ろして「若くて人気があってギャラが安い」ジョン・スチュワート(自役自演)を後釜にすえようと画策しています。それに気づいたラリーが落ち込んだり、彼のエージェントがジョンを姑息な手で妨害したり、彼の相棒が新番組に出してもらおうとジョンに媚びたり、まあいろいろあるのですが…

でも、ラリーの心配をよそに、彼の休暇中に代理ホストとして登場したジョンの企画は、呼んだゲスト(放送禁止用語を連発するラッパー)もギャグ(ヒトラーネタ)も「ネットワークには過激すぎて」放送中止になってしまい、主人公はひと安心…という展開になるのでした。

Part 1

Part 2

Part 3

エージェント:ヒトラーネタは「バー・ミツバの思い出」に差し替えるように言ったじゃないか。なんで替えていない?

ジョン:こっちの方が面白いからだよ。

エージェント:そういう問題じゃない!

ジョン:ぼく自身ユダヤ人だけど、これが不愉快だとは思わない。

エージェント:キリストもユダヤ人だったが、最後にはどうなったと思う?

ジョン:NWBに行くはめになったんだろ。(※)

「The Larry Sanders Show」は実際のトークショーじゃなくて内幕ものドラマなので、ジョンは(自役自演とはいえ)脚本に書かれた役を演じているだけなんですが…なんか、やけにリアルだったなあ。ジョンは「コンサルタント」としてもクレジットされているから、自分で書いてる部分もあるのかな。

ヒトラーのスケッチをやることになった年配のコメディアンが、ジョンの脚本家に「これは『コメディ・セントラル』(「デイリーショー」や「サウスパーク」をやっているケーブル局)を想定して書いた」と言われて、「自分のセンスでは古いんじゃないか」と慌てるシーンもあって…ああ、コメディ・セントラルってそういう位置づけの局なんだな、と思ったり。

アメリカのテレビ界では、ネットワークとケーブルでは視聴者数も違うし、従来的な価値観では、成功の「格」には厳然たる差があります。はっきり言ってギャラも違うと思う。

The Daily Show」は、ネットワークのコナン・オブライエンやデビッド・レターマンをおさえてエミー賞を5年連続で獲っているし、質に対する評価という点では上回っているんですけど。アカデミー賞を獲る映画が必ずしも大ヒット作じゃないのと同じような感じなのかな。

この「The Larry Sanders Show」に出る前、ジョンはMTV(ケーブル)で「The Jon Stewart Show」というトーク番組をやっていたのですが、人気があったのでシンジケート(地方ごとに違うテレビ局が担当する広域放送)になった半年後に打ち切りになってしまった、という苦い経験があるのですが…

ジョンは今でも、ネットワークでやりたいという気持ちはあるのかな?それとも、創造上の自由の利くコメディ・セントラルの方がいいと思っているのかな…とか、考えてしまったのでした。

※あ〜、すみません、このジョークは私にはわからんです。しょぼいテレビ局か何か?