ジョン・スチュワートとゲイ・マリッジ【1】

全米でも1、2を争う人気のお昼のトーク番組司会者にして2007年のアカデミー賞司会者、ジョンの友達(5/11のエントリー参照)でもあるコメディエンヌのエレン・デジェネレスさんと、彼女の恋人で「アリーmyラブ」にも出演していた美人女優のポーシャ・デ・ロッシさんは、この夏めでたく結婚されるそうです。(正確な日程がいつなのかはよくわからない…もう式を挙げたのかも。)

カリフォルニア州が同姓婚を認めたことによるゲイ・ウェディング・ラッシュの中でも、最も華やかで注目を浴びるハリウッド・セレブの結婚式と思われます。

これを祝して(?)、以前「そのうちまた書きます」と言ったままほったらかしていた、↓この記事について書こうと思います。(長いので2回に分けます。)

Jon Stewart's Greatest Gay Moments

これは「After Elton(エルトンに続け)」というゲイ・コミュニティのサイトの記事で、過去の「The Daily Show with Jon Stewart」の中から、ゲイに関係する話題を扱ったセグメントのベスト10を選んだものです。

いろいろ楽しいセグメントへのリンクが満載で、大いに楽しんだのですが、全部をご紹介することはできないので、このサイトが「ピュア・ゴールド、ベスト・オブ・ベスト」と呼んでナンバーワンに挙げているインタビューを紹介したいと思います。

レーガン政権の教育担当スタッフで、ラジオ番組を持っている保守派の評論家ビル・ベネットとの、同性婚に関するインタビュー。ベネット氏は「同性婚を禁止すべき」という考えの人です。

もちろん、ジョンは同性婚に賛成(それを禁止することに反対)なわけですが、それはアメリカのショービズ界では珍しくないことです。たぶん、ゲイに偏見を持っている人は少ないと思う。(<あくまでハリウッドやニューヨークのショービジネス界に限った話。アメリカでも、「バイブル・ベルト」とか「ハートランド」とか呼ばれる田舎へ行くとそうは行きません。)

でもその中で、前に書いたエレン・デジェネレスの発言にあったように、ジョンがゲイの人たちに特別に愛されている理由が、このインタビューを聞くとよくわかります。

The Daily Show with Jon Stewart 2006/6/6 Bill Bennet 1

The Daily Show with Jon Stewart 2006/6/6 Bill Bennet 2

<トランスクリプト訳>

ジョン・スチュワート:あなたはこの本で、アメリカが「最後の、最良の希望」である理由は「自由を信じているから」だと書いています。あなたの同性婚に関する議論は、これと基本的に矛盾していませんか?

ビル・ベネット:これは部分的には自由・平等に関する本だが、自由には制限があるとも言っている。

スチュワート:アメリカは歴史的に、いろいろな制限を設けてきたわけです。奴隷制から始まって…これはたいへんな「制限」ですよね。【観客笑】女性参政権も…その制限が廃止される度に、その自由を認めまいとして戦う勢力がありましたが、彼らは毎回負けました。そして、それはこの国のためになったのです。この(同性婚の)問題は、その同じ戦いの次の段階ではないですか?

【観客歓声】

ベネット:それは違う。結婚となると話が違う。この国は、ストレートであろうとゲイであろうと自由に幸福に生きる権利を保障している。ゲイの人がこの国を逃げ出したという話は聞かない。

スチュワート:クルーザーを見たことがないんですか?彼らが週末にバハマへ出かけているのを?【観客笑】

ベネット:幸福に生きる権利はあるが、結婚となると話は別だ。家庭は、社会の最も重要な要素だ。

スチュワート:結婚が安定性をもたらすわけですね。

ベネット:保健教育福祉省が設立された時、社会科学者たちが家庭について研究し、もし家庭という機能がないなら、作り出さないといけないと言った。子供を育てるのにこれほど効果的なものはないからだ。

スチュワート:それは比較的、近代になってからの概念ですね。ある時代まで、結婚は財産の、遺産相続の問題でした。

ベネット:しかし、家族の絆というのはもっと…

スチュワート:家庭というものが社会に安定をもたらすのなら、、どうしてゲイの人たちにも家庭を持つように勧めないのですか?

【観客拍手】

ベネット:ゲイの人々も家族の一員だ。彼らはすでに息子であり、娘であり、家族の一員だ。

スチュワート:【皮肉に】何ですって?それが限界ということですか?ゲイ版の「ガラスの天井」?

【観客笑】

ベネット:つまり、結婚というのは男性と女性がすることだと考えるかどうかの問題だ。

スチュワート:違いますね。これは、ゲイであることを人間の自然な状態のひとつと考えるか、気まぐれな性的倒錯と考えるかという問題です。

【CMブレイク】

(つづく)