フィクサー ☆☆☆☆

この題名に、なんとなく懐かしさを感じてしまったのですが…たしかロッキード事件の時に流行った言葉ですね。児玉よしお?だったか小佐野けんじだったか…

小学生がわけもわからずに「フィクサー」なんて言葉を覚えてしまうほど、ロッキード事件は衝撃的だったってことで(笑)。

なんてことはともかく。いや〜、面白い映画でした!

ジョージ・クルーニーの顔のせいか、どちらかというと「グッドナイト&グッドラック」とか「シリアナ」とかあのセンの、社会的な真面目な映画を期待して行ったのですが、もっと分かりやすくて、もっと「娯楽映画!」でした。いい意味で。

ジョージ・クルーニーは、タイトルロールとは言えどちらかと言えば狂言回しのような役どころで、映画を動かしているのは、農薬被害の訴訟を起こされている大企業の法務部長ティルダ・スゥイントンと、その会社の顧問弁護士トム・ウィルキンソンです。

<以下ちょいばれ>

良心にめざめて「まとも」に戻りつつあるのに、周囲から見れば「狂った」としか見えないトム・ウィルキンソンと、ある時点で確実に「狂気」への一線を踏み越えているのに、周囲から見ると熱心に仕事している有能キャリアウーマンにしか見えないティルダ・スゥイントン。それは、世界の方が狂っているから。

トム・ウィルキンソンが、ジョージ・クルーニーの息子が読んでいるヒロイック・ファンタジー小説(戦士たちが夢のお告げで呼び集められ、世界を救う使命を与えられる、という類のもの)にインスピレーションを得るのが面白い。そもそも、彼が良心に目覚めた(=狂った)のも、「姫」を救おうとしたからなのだし…

わかったぞ、この映画の教訓は…子供には必ずファンタジー小説を読ませて育てるべきってことだ(笑)。