【映画感想】怪盗グルーの月泥棒 ☆☆☆1/2

ピクサーの影響をモロに感じるなあ、と思ったら、元ピクサーのアニメーターの人が参加しているみたいですね。

まあでも、可愛いし、面白かったです。わたし、トイ・ストーリーの脇キャラの中では、3つ目の宇宙人トリオがお気に入りなんですが、あの感じが好きな人なら、多分気に入ると思う。

背景のデザインなども、ティム・バートンをちょっと甘口にしたような感じで、オシャレ。

ピクサーのように、油断していると不意打ちで大感動させられて涙腺崩壊、という心配(?)はあんまりないので、安心して見られます。

でも、楽しく見るにはひとつ条件が...「字幕版(英語版)で見ること。」だってコレ、日本語吹替えひど過ぎでしょ。

主人公の原語の吹替え(スティーブ・カレル)には、妙なラテン系のアクセントがあるのだが、あれはどっちかというと、気取っていて、怪しげで、わざとらしくて、近寄りがたい感じの演出であり(なにしろ悪党という設定だし)、関西弁とはむしろ逆だ。

またそれ以前に...今回つくづく思ったのだが、翻訳に関西弁を使うのは、モノが何であれ、禁止だよ。禁止!

翻訳というのは、原語のテイストを出来る限りそのままにする、余計な色をつけない、というのがベストでしょう。日本語の方言の中でも関西弁というのは、それを喋るというだけで、そのキャラにかなり強い「味」が付与される。(例:「動物のお医者さん」のミケ)そしてその「味」は、私の知る限り、英語のアクセントで相当するものはない。そのぐらいユニークで、特徴の強い方言で、文化として誇るべきものだけど、だからこそ勝手に外国語の翻訳に当てはめちゃだめなのよ。

私がこの映画をレンタルしたのは、主人公の声をスティーブ・カレルがやっているからで、日本語吹替えが誰かなんて知りもしないで借りたのだけど、面白かったので日本語吹替えでも見てみるか、と切り替えてみたら...主人公が一言喋ったとたんに「ギャー!!」って感じで、あわてて止めました。

ディズニーやピクサーのアニメでは、日本語吹替えでこういう思いをしたことがないのだけど、あれは日本の配給会社がこういうスットコドッコイなことをやらかさないように、米本社がしっかり目を光らせているのだろうなあ。ディズニー以外のアメリカのアニメ制作会社、そういうところも真似しなきゃだめよ!