オーブリー&マチュリン「21」(その20)

皆さま、1月11日(月)午後9:00〜、NHK衛星第二で「マスター・アンド・コマンダーの放映があります!

ファンの皆さまはDVDをお持ちかと思いますが、よろしかったらどうぞ。散々DVDでも繰り返し観た私としては、テレビ放映時は音質・画質や字幕が変わっているかどうかとかに注目したりするのですが...今回は字幕は変えないでほしいなあ。「マスター・アンド・コマンダー」の劇場公開版日本語字幕は非常に優秀ですから。

それと、ファンでない皆さま...つまり、別の目的でたまたまこのブログを読んでくださっている方々、この機会にぜひどうぞ!

と、宣伝したところで「21」。

図々しくも、伯父だか従兄だかの提督に頼み込んで、強引に(?)サフォーク号に乗り込むことになったミラー大尉。ジャックも上官の命令とあって逆らえないのですが...

ミラー大尉は満面の笑みで、「ミセス・ウッドも乗っていらっしゃるのですよね、私はシエラ・レオネの頃から彼女をすばらしい方だと思っていました。あなたが航海に出られている間にも、ウールコムをお訪ねしてお会いする光栄に浴しました」などとジャックにぺらぺら話しかけてきて、その馴れ馴れしい態度にジャックは内心ムッとしています。

甥が甥なら伯父も伯父(または従兄弟)、レイトン提督はスティーブンをつかまえて喜望峰への途中で補給に寄るセント・ヘレナ島で、ナポレオンに「どうやったらワーテルローで負けずに済んだのか」を説教してやりたいので、旗艦で一緒に来てフランス語の通訳をしてほしいと、さらに図々しいお願いをしています。

あ、ひょっとしたら、ミラー大尉はスティーブンとクリスティーンの関係に気付いていて、ライバルを厄介払いするために彼を旗艦に移してほしいと提督に頼んだのかな?

これまた上官の頼みなので断れない、かと思ったら、さすがはスティーブン、きっぱり断っています。「レイトン卿、あなたのフランス語は十分通じますよ。私は自艦の患者たちへの義務がありますので...」

レイトン提督は、ジャックに「君から命令してくれないか」などとプレッシャーをかけるのですが、ジャックは冗談めかしつつもきっぱりと、「提督であっても、医師に強制することはできません。これは戦時条例に書いてあります。それに、もし他の医者にできたとしても、マチュリンには無理ですよ。大型の熊10頭をもってしても、マチュリンの意志を変えさせることはできません。」

実はこのへんからタイプで打った原稿がなくなって、手書きのメモ書きのみになっているのですが、オブライアンさんはここでのジャックのセリフを、微妙に違うのを3バージョンぐらい書いています。言っていることは同じなのですが違うのは表現で、「熊を自分の吐瀉物から離すことはできても...(You may turn a bear from his vomit)」とか「大型の熊10頭をもってしても(ten bears of the largest size could not deter Maturin from what he thought)」とか言っています。

例によって「熊」が出てきていることからして、これはジャックのオリジナルことわざ(Aubrism)かと思われますが、元になっている諺がわかりません(汗)。turn from his vomitって...こんなキタナイ諺があるのかなあ。

今回はこのへんで。あと、引っ張っても2〜3回かな。