先週のThe Daily Show〜アル・フランケンと30人の共和党員(その1

今週は「The Daily Show」はお休みなので、その時間をブログ書きにあてよう、ということで。

The Daily Show 2009/10/14 Rape Nuts

The Daily Show with Jon Stewart」(と「The Colbert Report」)は、年間約40週、週4日、30分間(正味22〜3分)放送されています。

ずっと以前、まだジョン・スチュワートがこの番組のホストを始めたばかりの頃のインタビューで、「番組の目標は?」と聞かれた時、ジョンは大好きな「Seinfeld」(となりのサインフェルド)を引き合いに出して、「毎週毎週、あれだけのクオリティのものを作り出すのは本当にすごい。ジャンルは違うけど、ああいうレベルになりたい。」と言っていたことがありました。

もちろん、サインフェルドのクオリティはすごいんだろうけど...でも、シットコムは年間23〜24エピソードしか作られないんだよね。「サインフェルド」は全9シーズンだし。もちろんジャンルが違うから単純比較はできないけど、もう10年以上、年間160エピソード以上、これだけのレベルのものを作り続けているデイリーショーは本当にすごいと思います。

ジェリー・サインフェルドがゲストに来た時、ジョンは半分冗談、半分本気という感じで「(ぼくはこの番組を)どういうタイミングでやめたらいいんでしょうかね?」と聞いていたんですが...サインフェルドさんは「これは死ぬまでやる仕事じゃないの〜?」と、殺生なことを軽く言ってましたけど(笑)。

まあ、それはともかく。とにかく、言いたかったのは、デイリーショーには毎週毎週面白いセグメントが山ほどあって、ここで紹介できるのはその中のほんの一部だってことです。

なので、ここに書くセグメントをどう厳選しているかっていうと、特に笑える、面白いセグメントであるということの他には...

1) アメリカ国内だけじゃなく、国際的に重要な話。環境問題とか戦争とか、大統領選挙とか。

2) 別に重要性はないけど、私が個人的にツボだったセグメント。

3) Googleのニュース検索やブログ検索で「Jon Stewart」「The Daily Show」で検索してみて、特に多くの記事やブログで話題になっているセグメント。

4) アメリカではすごく話題になっているのに、日本ではまったく触れられていないニュース...は山ほどあるけど、その中で特に興味深いもの。

5) すごい話、重大な話だと思うのに、アメリカでもなぜかあまり報道されていなくて、デイリーショーだけが取り上げているニュース。

...などです。

さて、前置きが長くなりましたが(前置きだったんか!)、今回は、上の(3)と(5)にあてはまる話です。

このセグメントには解説が必要なポイントがいくつかあるんで、先にそちらを片づけておきます。

ポイント1:ハリバートン。この会社は基本的に石油と天然ガスの生産設備を作る会社ですが、運輸や、軍の設備なども扱っています。

アメリカの前副大統領ディック・チェイニーは、副大統領になる前はこの会社の経営者でした。イラク戦争後、国営だった油田が欧米の石油会社に開放されてから、この会社はイラクの石油事業で大きく利益を得いている他、ブッシュ政権時に政府とも契約を結び、米軍支援事業やイラクの復興事業でも大活躍しています。(ま、この2つの文章がまったく無関係だと思う人なんて、世の中に一人もいないわけで。)

ポイント2:(まったく関係ないようですが)アル・フランケン。彼は「サタデー・ナイト・ライブ」の脚本家兼出演者として人気を得た元コメディアンですが、去年の上院議員選挙にミネソタ州から立候補。わずか49票差の大激戦、選挙結果を巡って裁判になって何カ月も決着がつかず、今年の6月にようやく勝利が認められて晴れて民主党60人目の上院議員になった、現在最も新人の上院議員です。

ジョン・スチュワート:みんなも知っている通り、元「サタデー・ナイト・ライブ」のアル・フランケンは、いまやミネソタ州選出の上院議員だ。【観客大歓声】ホント?まだそんなに嬉しい?...少しずつしかし着実に、彼は議会の一員になっている。最初の公聴会、最初の質問、議会ロッカールームでの大統領からの最初のイジメ...そして今回、アル・フランケン議員は最初の法案を提出した。

ニュースキャスター:アル・フランケン上院議員が提出した法案は、「アメリ国防省自社の従業員に『同僚に性的暴行を受けた場合、訴訟を起こさない』と同意する契約を結ばせている企業とは契約しない」と定めるものです...

ジョン・スチュワート:..........【あまりのことに笑う観客】......これは全会一致じゃないの?....そもそも、なんでこんな法案が必要なの?

ニュースキャスター:KBR(ハリバートン)社の従業員、当時19歳の女性が、イラクにおいて同僚たちから集団性的暴行を受け、警察に訴えようとしたところ、丸1日コンテナの中に監禁されました。ようやく解放され、アメリカに帰国した後、KBR社を訴えようとしたところ、契約書の細目のせいで訴訟を起こせないことが判明しました。

ジョン・スチュワート:...(前のセグメントに出てきた)太った赤ちゃんの話に戻っちゃだめ?

(つづく。)