RENT The Broadway Tour

昨日、オフ・ブロードウェイ初演時からのオリジナルキャストで、映画版にも出演したアダム・パスカル(ロジャー役)とアンソニー・ラップ(マーク役)の出演する「RENT」の来日公演を見て来ました。

私、RENTは2000年の初来日のとき、映画を観た後の2006年のツアー、今回と、日本でばかり3回観ているのですが...やはり今回は特別でしたね〜。感動でした。(いや、初めて観たときもやっぱり特別でしたけど。)

何が特別かっていうと...もちろん、日本でオリジナルキャストが見られるってだけでも凄いことなのですが、思うにアダム・パスカルとアンソニー・ラップって、単に「オリジナルキャスト」ってだけじゃないのですよね。彼らは、ロジャーとマークを演じているっていうより、ある意味ロジャーとマークそのものなのです。

今回買ったパンフレットに掲載されていたアンソニーのインタビューによれば、「RENT」は最初はオフ・ブロードウェイの小規模な舞台だったこともあって、二人も他のオリジナルキャストのメンバーも、RENTの生みの親のジョナサン・ラーソンと、かなり個人的に親しくなったそうです。アンソニーの言葉にによれば、「単に彼の作品に雇われた役者じゃなく、彼の人生の一部になった」と...

とりわけマーク役は、ジョナサン自身を大きく反映した役であり、最初の最初から彼を演じていたアンソニーとラーソンが共同で作り上げていったという部分も大きいそうですから。

そして、初演を目前にしてジョナサン・ラーソンが急死するという悲劇があり、本来はジョナサン・ラーソン自身のものになるはずだった「RENT」のスピリットを、ある意味否応なく、オリジナルキャストメンバーが引き継ぐことになって...

他のミュージカルでも、だいたいにおいて「オリジナルキャスト」は特別、と見られることが多いのですが、「RENT」のオリジナルキャストには、他のミュージカルとは違った次元での特別さがあるような気がします。

だからこそ、8人の主役のうち6人がオリジナルキャストで映画版が作られたというのが、これがまた特別のことだったのですよね。これだけオリジナルキャストを揃えるっていうのは、そうしたいと思ったとしてもよっぽどの幸運に恵まれなければできなかったはずで、これにも運命を感じますね。

とにかく、そのアンソニーとアダムのマークとロジャーを生で見ることができて、こんなに幸せなことはありません。二人が再会するシーンの「What You Own」の素晴らしかったこと!

ふ〜、しあわせ(笑)。

追記。いま、映画版の自分の感想を読みなおしてみたら、「私はオリジナルキャスト至上主義じゃない」とかなんとか書いてますね。それが、自分がオリジナルキャストを見られたとなったら、とたんにこれだもんな〜(汗)。自分の都合の良さに赤面です。