【映画感想】スラムドッグ$ミリオネア ☆☆☆☆

これは2週間ぐらい前に観たのですが、そういえば感想書いてませんでした。

この映画は、主演のデヴ・パテルくんがゲストで来た時にジョン・スチュワートが言ってた「Most depressing feel-good movie」(すごく気が滅入る『元気の出る映画』)という一言が、まさにぴったり言い表していると思いました。見ながら、喜んでいいんだか悲しんでいいんだか、スカっとするべきか落ち込むべきか、よくわからなくなってしまう。いや、そこがいいんですけど。

ストーリーが「ご都合主義」だという意見もよく聞きますが、そうでもないんじゃないかと思います。「ミリオネア」というクイズ番組はあんまり見たことがないけど、知っている限りでは、そもそも番組の構造が、必ずしも博識じゃなくても、幸運に恵まれれば勝ち進むことも(ごくまれには)あるようにしてあるんじゃないかな。だからこそ、一攫千金を夢見る人たちに人気があるのでしょう?

それに、主人公のジャマールは、教育はないけど頭は良いこと、とにかく記憶力が良くて、日々の生活で経験したちょっとしたことをよく憶えている子だということは、わかるようになっているし。

とにかく、実際の番組のルールに沿った「ミリオネア」の展開と、同時進行する主人公のこれまでの人生とをからませた脚本が抜群にうまくて、引き込まれてしまいました。

とにかく、宗教対立やら社会の矛盾が赤裸々に描かれていても、子供たちをとりまく環境が悲惨また悲惨でも、ゆっくり落ち込んでいるヒマも与えずどんどん前へ前へと引張ってゆくような映画で、観終わった後には意味もなく世界の未来に希望がわいてくるような...不思議なエネルギーに溢れた映画でした。今年観た中では最高かな。

あ、それと、エンドクレジットが最高です。パテルくん可愛い!