【映画感想】トロピック・サンダー 史上最低の作戦 ☆☆☆☆

アメリカのコメディが好きな私ですが、実は、ぴったりツボにはまるものはそう多くないのです。(その代わり、いったんツボにはまってしまうとタイヘンなことになってしまうのですが…)

これは、映画では久々にハマりました。(「40歳の童貞男」以来かな?)

前から何度か書いてることのバリエーションですが、ハリウッドやハリウッドスターをおちょくったコメディを作ろうと思ったら、その映画自体が、ハリウッドスターをばりばりに揃えたハリウッド超大作じゃなきゃならないのです。これが出来るっていうのが、ハリウッドなんだなあ。

それから、「アイアンマン」に続いて、ロバート・ダウニー・ジュニアに感服しました。

彼は「オーストラリア出身の、私生活では暴れん坊という噂の、役作りに凝ることで評判のアカデミー賞受賞の名優」の役。それって、やっぱりラッセル・クロウだよね。

まあでも本当は、「カメラが回っていないところでも役に入り込みっぱなし」というのは、ラッセルのスタイルとは違うのだけどね。(撮影現場でのインタビューとか見たことあるファンならご存知のように。)どっちかというとそれはダニエル・デイ・ルイス。でも、ダニエルタイプ(英国人・私生活は謎多し・寡作)より、ラッセルタイプ(オーストラリア人・私生活はゴシップ多し・役柄は多彩)の方がおちょくりやすいのはわかる。

それはともかく、「役に入り込んでいる名優」を演じるというのは、すごく難しいと思う。演じているその「名優」より、さらに上の演技力を要求されるから。北島マヤを演じられる若い女優がいないと「ガラスの仮面」の映像化ができないようなものですね(何のこっちゃ)

しかも、これはコメディ。その「やりすぎ」ぶりで笑わせて、しかもただのクサい演技に見せないようにしないといけないのだから…そのコントロールぶりが絶妙で、ほんと、これはロバート・ダウニー・ジュニアじゃなきゃ出来ない役かもしれない。

ダウニーの他に感心したのは、冷血お下劣プロデューサー役の、特に名を秘すあのお方。「変わり果てた姿にショック」という人もいるけど、なんのなんの、私は初めて彼の役者としての底力を見ましたよ。

ガラスの仮面」を出したついでに言えば、彼は本当に姫川亜弓かもしれない…

と、わけのわからないことを書いて煙に巻いたまま、この感想は終わるのでした。