ほのぼのじゃない話(その1)

書きたいネタはあるけど書く時間があまりない上に、なんだか書いてるとどんどん長くなるので、しょうがないから、書けたところまでで分割日記に…

最近の「The Daily Show」に関する、面白いけどあんまりほのぼのじゃない話二題。

1. デニス・リアリー

火曜日のゲストだったデニス・リアリー(Denis Leary)はコメディアンで、ジョンが無名時代にスタンダップ・コミックの地方巡業で一緒に回っていたころからの親友です。The Daily Showにも定期的にゲストで来ています。いつもインタビューというより、ただ仲の良い友達が楽しく喋っているという感じ。

私はこの人の出ているテレビや映画、他には全然見たことないんですけど、デイリーショーに出る時の彼は大好きです。ジョンも本当に楽しそうで…

The Daily Show with Jon Stewart 2002/8/19

ジョンが何かの約束を守らなかったからと言って怒っているデニス。

ジョン:だって、あの時お前は酔っ払ってたじゃないか!お前が酔っ払っている時に言ったことをいちいち本気にしていたら、ぼくは今頃「デニス・リアリー夫人」だよ!

デニス:おれはアイルランド系だぞ。酔った勢いでした約束こそ本気なんだ。

…デニス、酔っ払ってジョンにプロポーズしたことがあるのか(笑)。(しかし、私もこんなんばっかり引用していると、「腐女子じゃない」と言ってももはや信じてもらえないかもしれない。まあいいけど。)

まあ、いつもこんなふうで、ここまではほのぼのな話なんですが…

しかし、です。デニス・リアリーは先日、「Why We Suck(我々がサイテーな理由)」という本を出したのですが…その中の「Autism, Schmautism(何が自閉症だよ)」という章の中の次の一節で、かなり物議をかもしているというか、批難を浴びているのでした。

“There is a huge boom in autism right now because inattentive mothers and competitive dads want an explanation for why their dumbass kids can’t compete academically so they throw money into the happy laps of shrinks and psychotherapists to get back diagnoses that help explain away the deficiencies of their junior morons. I don’t give a (expletive) what these crackerjack whackjobs tell you - yer kid is NOT autistic. He’s just stupid. Or lazy. Or both.”

「今は自閉症が大ブームだ。怠慢な母親や競争心の強い父親が、自分のアホな子供の成績がぱっとしない言い訳を求めて、精神科医や心理学者に金を投げ与えて、馬鹿息子・娘の頭の悪さを説明してくれる診断をもらっているからだ。そういうデタラメな連中があんたに何を言ったとしても、おれは信じないね…あんたらの子供は自閉症なんかじゃない。ただアホなだけだ。じゃなきゃ怠け者なんだ。じゃなきゃその両方なんだ。」

うーむ…ジョンの友達だからあんまり悪く言いたくはないけど、これはヒドい。本人は「Out of context(文脈を外して)」で引用された、と言っているけど、どんなコンテキストの中でもこれは言い訳のしようがないかも…

というか、アウト・オブ・コンテキストを主張するんなら、「この前にこういう文章、この後にこういう文章があって、ほら、続けて読むと全然意味が違うでしょう?」ということを説明しないとだめなのに、そういうこともしてないし。第一、インタビューの一部だけを引用されたというのならともかく、本に書いたことだしねえ。かなり苦しい言い訳だわ。

この話を読んで真っ先に思ったのは、もちろん、「あらら、ジョンはどう思うだろ?」ということでした。というのは、自閉症の子供たちの教育支援は、ジョンが支援しているチャリティの中でも特に熱心に取り組んでいるもののひとつで、この4月にジョンが司会していた「Night of Too Many Star」という番組もそのためのものだったのです。だからジョンは、自閉症のお子さんやご両親が抱えている困難はよ〜く知っているはずなので…

つづきます。