ネル…?

ジョン・スチュワートは、もちろん政治的意見はばりばり言うわけですが、こと「どの候補者を支持するか」ってことになると、はっきり言明するのは避けています。例えば、ジョンが民主党の予備選でヒラリーとオバマのどちらを支持していたのかは、結局よくわからなかった。

言わないのは、彼の仕事に差し支えるからでしょうね。何をどう考えているかは「The Daily Show」を見ていれば明らかでも、個人としてどちらの候補に肩入れしているかをはっきり言っちゃうと、どちらかの候補をおちょくった時に「XXに肩入れしているから○○を批判している」と取られるおそれがあるからです。本当はどっちの候補であっても、アホなことをすればネタにされるだけなんですけど。

ま、そうしていても、結局は言われるんですけどね、そういうことは。

ところが。先日、ベン・スティーラーがホストを勤めたチャリティー・イベントで、ジョンは珍しくはっきり言ったみたいです。ふーむ、やっぱりそうか…

http://www.nydailynews.com/gossip/2008/10/09/2008-10-09_sarah_palin_unappealin_to_jon_stewart.html

「もうはっきりしていると思うけどね。(オバマもマケインも)二人とも完璧じゃないけど、どちらかがまったく唐突に、森から女性を引っ張り出して来て副大統領候補にしたら、もうどうしようもないだろう?」

「(サラ・ペイリンは)『ネル』のジョディ・フォスターみたいだ。彼らは彼女をたまたま見つけて…彼女は、自分だけの特別な言葉を話している。」

「彼女の演説は、ワイマール共和国最後の日々みたいになってきているのに気がついた?フロリダで、彼女はこう言った…『バラク・オバマとは本当は何者か?』ヘイ、レディ、あなたこそ何者?ぼくらはあなたとたった5週間前に会ったばっかりなんだよ。」

「ワイマール共和国最後の日々」…。たしかにこの間デイリーショーで彼女の演説の断片を聞いて、かなり「…マジ?」と思ったけど。演説の内容もさることながら、聴衆の反応がコワイんですよ。「オバマとは何者か?」と言ったら、「テロリストだ!」「殺せ!」とか叫んでいるし。

私は常々、政治家にカリスマ性はむしろ有害じゃないのかと思っているのですが、能力がないのにカリスマ性だけはやたらとあるっていうのは、余計にマズい感じだなあ…

ところで私は「ネル」を観ていないのでした。レンタルで捜してみようかな。

The Daily Show 2008/10/8