9/11 Again (その1)

ぼくがなぜ悲しんでいるか、でもなぜ絶望していないか…

〜2001年9月20日、ジョン・スチュワート

この話は、実はちょっと前から、書こうかどうしようか迷っていたのですけど…

どうして迷っていたかというと、この話をすると、どうしても私のいろんな感情がもろに出てしまうみたいで、ちょっと照れくさいのがひとつ。あと、話の展開上途中でどうしてもすっごく不愉快な話を書かなくてはならなくて、それが気が進まないのがひとつ。

でも、ちょうど時期も来てしまったことでもあるし(?)、この際書いてしまうかと思います。

胸の痛むところがあったり、笑えるところもあれば、胸が文字通りムカつくほど不愉快なところ、すっきり爽快なところ、考えさせられるところもあり…なんか映画の感想みたいですね(笑)。

今の世界の、他のいろんなことがそうであるように…事の起こりは2001年9月11日、ワールド・トレード・センターが崩壊したテロ攻撃。

9月11日以来、他の(ニュース以外の)いろんな番組と同じく、「The Daily Show with Jon Stewart」もしばらく放送休止になっていました。9日後の9月20日に再開したのですが、ジョンは再開初日の番組を、9分間のスピーチで始めました。

The Daily Show with Jon Stewart 2001/9/20

全文訳は3/7のエントリーを参照

私自身はこのスピーチをついこの間、今年の3月のはじめ頃に聞いたばかりのなのですが…

もうとにかく、誰かを画面に手を突っ込んハグしたい衝動にかられたのなんか、これが生まれて初めてでしたよ(笑)。

以下は私の勝手な想像ですが…ジョンはこのスピーチで、これほど感情を表に出す気はなかったのだと思います。

このスピーチって、べつにアドリブで喋っているわけじゃない。テレプロンプターを使っているかどうかまでは分からないけれど、明らかにあらかじめ全部書いて、暗記しているスピーチです。だから、最後まで冷静に言えると思っていたんじゃないかと思います。

それなのに、途中で言葉につまってしまったのは…観客が泣いているのが見えたからだと思うんですよね。

9月11日からたった9日後のこの日、マンハッタンのスタジオでの収録に足を運ぶことができたのは、ほぼ全員がニューヨーク在住の人々だったでしょうし。いや、6年半も経った後に遠い国でこれを見た私だって、パソコン画面の前で号泣してましたもの。ましてや、9日前にワールド・トレード・センターが崩壊するのを直接目撃したばかりの人々です。

泣いている観客の顔をまったく映さないという品の良さにも感心します。(まあ、The Daily Showは普段からほとんど観客を映さないんですが。)

あ…なんか、感情的な方面のことばかり書きましたが、もちろんスピーチの中身も素晴らしいと思います。というか、もちろんそっちの方が重要。

「どんな馬鹿でも、破壊はできる。」
「ぼくがなぜ嘆いているか、でもなぜ絶望していないか…」
「これはマーティン・ルーサー・キングの夢なのです。」
「わたしたちはもう勝っている。」
「混沌は自らを支え続けることはできない…」

9・11後、アメリカのみんながこういう気持に共感していたら…その後、こういうことにはならなかったのになあ、と思います。

…でもどうやら、まったく違う感じ方をする人もいるみたいで。

つまり、この話は前にも一度書いたのに、なぜまた持ち出したかというと…今回の話には、続きがあるのでした。

つづく。

(あー、次回の話は書きたくないなあ。でも、それを書かないと話が続かないからなあ。続きはたぶん数日中に。)