唐突ですが…「プロデューサーズ」

最近、暑いときには元気の出る音楽を、ということで(というか、この間ちらっと書いたので思い出して)「プロデューサーズ」のCD(ブロードウェイ版)を聴いているのですが…「キング・オブ・ブロードウェイ」を聴いていて、あんまり元気の出ないことを思い出した。

これの映画版が日本公開された頃、東京のオフィスで広く配られている人気のフリーペーパーにこの映画の紹介が載っていたのですが、それにはなんと、主人公のマックス・ビアリストック(ネイサン・レイン)のことが「小柄な南米系のオジサン」と書かれていたのですよね。

あの〜、たしかにマックスは「アルゼンチンから来た色男」になりますが…あれは一種のコスプレですから。マックスはユダヤ人に決まっているでしょ。

つまりこれを書いた人は、ユダヤ人がお金のために元ナチと組んでヒットラーを賞賛するミュージカルを作る、というオカシサをまったくわかってなかったわけですね。はああ…

いや、観る人の中にわからない人がいても別にいいかな、とは思うのですが。こういう、たくさんの人が読むかもしれないものを書く人は、ちょっとは気をつけてほしいなあ、と思ったものです。

だから、「キング・オブ・ブロードウェイ」(ユダヤ音楽調の曲で、イディッシュ語の台詞なんかも出てくる)を映画からカットしちゃいけなかったんだってば。…いやもしかして、これがあってもわからなかったのかな…

私が個人的に一番可笑しい歌詞だと思った「観客の半分はユダヤ人だったのに!」というのがある「Where did we go right?」もカットされてたし…

追記(単なる連想):この話では、コケさせるために作ったヒットラー賞賛のミュージカルが、そういう意図はないのに「風刺・皮肉」と取られてしまって「傑作」と賞賛されてしまうのですが…それとまったく逆のことが、今、雑誌「New Yorker」の表紙のオバマさんのマンガをめぐって起きているようですね。

これについては、もしかしたら明日。